私が死んだら私が生きていたことなど一瞬で忘れ去られ、きっと誰にも思い出されぬに違いない。始めからそんな人間など生きていなかったかのように。お札にでもなれば望まなくとも後世まで認知され続けるだろうが、少なくとも私はそうではない。単調な日々の中で、1日経てば忘れてしまうようなことを、波に流されて見えなくなってしまうのを、つなぎ止めるように書き残す。