夜明け前の散歩道

少し寒いなと

手をこすりながら

煙草屋の角を曲がると

いつもの唄が聞こえる

挽きたてのモカを

いれながら

君が最後の客だと

寂しげに笑うあなたに

返す言葉もない

せめて思い出に

いつまでも残るように

スタンドを見渡して

心のキャンバスに

描いてみよう

さよなら夏の日よ