遠ざかる背中に告げた
別れの合図は届かない
数分前まで力を持っていた
言葉も今では独り言に


賑わう人の波の中
「またね」と手を振った
もう偶然にしか会えないと
お互い知っているけど
言わずにはいられなかった


胸の中に残るのは
寂しさなんかじゃない
いつかの奇跡を信じていた
あの眩しい春のあたたかさ