柔らかな風が吹き抜けて

足元の緑を撫でる季節

川沿いに並び立つ桜の木々から

花びらが舞い落ちては

さらさらと流れる水音に合わせ

まるで踊っているかのよう



花びらが次々吸い込まれ

ゆっくりと川に落ちてゆく

流れに身をまかせ

重なり寄り添いながら

やがて波の上にもう一度

花をそっと咲かせた



ゆらゆら漂い消えゆくのは

優しくきらめく

紫の波

その音の優しさに耳を澄ませる

幾度となく思い出すのは

この素晴らしい風景がある街