宮坂…紗智先輩

凛としてすごく大人…
一つ上とは思えない…

多分、モテるだろうなぁ・・・

「短距離ータイムはかるぞー」

『あっ!はぁーい』

在学大会近いしね!
気合い入れなきゃ!!

────…パン!

あたしが、風邪になる

この感覚大好き…

一瞬、何もない世界にいるみたいに…

「麻生!14、2」

オーとどよめきがおこる

100Mを女が14秒で走るなんて…


「在学大会は優勝だな!」

顧問はガハハと大きな口を開けて笑った。

『頑張ります!』

「体は休めるんだぞ?」

『はい!』

「オラっもう一本走ってこい!」

『えー!!しんどッッ』

「ぶつくさ言うな!」

顧問はポンと背中を叩いてあたしを促す。

『在学大会優勝したら何かご褒美下さいよ!』

「オレのキスをやろう」

『いやーだー!!!!』

「冗談だよ!上位の奴等だけ焼き肉でも連れてってやるよ」

『ほんとですか?!』

「ああ!だから頑張れ」

『はぁーい!』

顧問は、高校時代に全国大会で3位に輝いた、すごい人らしい…


「頑張れよ秋穂」

すれ違う時、直哉が呟いた。

『うん!ありがとう』

直哉は顔を赤らめて微笑んだ