『ごめん…………』

「いや…俺もごめん」

『何で直哉が謝るのよー』
直哉はフッと笑って窓の外を見た。

その横顔が夕日に照らされていつも以上に大人っぽく見える。

────かっこいい

本当にそう思った。

「なあ……」

いきなり直哉が振り向いた。

『なっ………何?』

あまりに顔が近い。

「あっ…………」

『あっ…………』

声が重なる。

視線がぶつかる。

その瞬間…あたりは静寂に包まれた。



改めて直哉の顔はキレイだ。

女形だからかもしれないけど、肌はとてもきれいで、小麦色の肌。細いくせに筋肉はちゃんとついていて………

大きな漆黒の瞳はあたしを捕らえて離さない。

あなたは……うすい唇で何を話すの?


心臓が高鳴る

キュンからトクンへ
トクンからドキンへ

音を変えてあたしに伝える

(一年三組麻生秋穂。今すぐ職員室まで来なさい)

それは合図かの様にあたしたちを引き裂いた。

「行けよ…」
直哉は赤い顔をしている

デテイケ──…

速人の言葉とかぶる。

でも………
直哉は違う…