「お前、名前は?」
『あたし?麻生秋穂だよ。そっちは?』
「新崎直哉(アラサキナオヤ)」
『直哉ね!わかっ「ぁっ!!カミカミ女!」
誰よ…
『あー!!!ナントカ!!』
なんと食堂に遅れて来たのは、今朝のあいつ!!
「速人!!覚えろよな。ていうか、これからは速人って呼べ。」
なっ!!なんか生意気?
『知らなかったんだからしょうがないでしょ!!!』
「ふーん。あの笹原真弓をキレさせた女だぜ。アンタ」
『ぁっ!!あのねーッッ』
キレかけたあたしを止めたのは直哉だった。
「あんま、秋穂いじめんなよ。」
はぃ?
「おー女形の直哉か…なんだ?コイツに惚れてんか?」
ケラケラ笑いながら速人は
壁に手をつく。
『んなわけないでしょーて!!!!』
あたしは重い沈黙に耐えられない。
「そーだ!秋穂。」
速人がいきなりあたしを呼び捨てにしてきた。
『なっ!!!何よ………』
あたしは身構える。
「お前気に入った!!明日のコンサート見にこい」
はーぁ???
『あたし、部活あるんだけど…』
「俺様の、コンサートを断るとはいい度胸してんな。いいか?絶対来いよ?」
何コイツー!!!
我が儘で俺様で!!!
『ぁっ……あんた何様!?』
あたしが叫ぶと、速人はシレッとした態度で…
「神様・俺様・速人様」
と一言言って、あたしにチケットを渡してどこかに行った。