「あたしさぁ~ふと思ったんだけど………」

史華が言いづらそうに、顔を向けてきた。

『なっ…何?』

「体育科の女子ってさぁ…あたしら合わせて05人しか居ないんだよね…」

────……はぃ!?

『なっ!!!!!!えぇえぇえぇ』

あたしは驚きのあまり、大声をあげる。

「しっ!!!!しぃー!!!」
史華はあたしの口を押さえた。

(次は寮の振り分けでーす)
あたしたちはもちろん、寮組。

(一年三組、麻生、相原、神原、208号室。)

かっ…かみはら?

あたしは、また舞台を覗く。

三組の席にポツンと一人だけ女の子がいる。

『ふっ史華!!見て!!かみはらさんてあれ?』

史華も舞台裏から覗く。

「ぁー!!!あの人、水泳の特待生だわ!!」

『知ってるの?』

「知ってる知ってる~だって有名だよ!?」

『そっ…そうなんだ』

かみはらさんは、黒髪でショートカット。外見しかわからない。