親友。 夏は麻菜ちゃんをそう呼んだ。 「…っ」 麻菜ちゃんが記憶喪失の夏にでたらめを教えたことは理解した。 でも、ねぇ夏。 苦しいよ。 夏があたしを、忘れちゃった。 夏が悪い訳じゃない。 でもあたしはね、夏の親友でいたかった。 耐えきれずあたしは病室を飛び出した。