彼女の涙。
今も頭から離れない。

「考え事?」

「えっ……うん、まぁね。でもさ、どうやって悪魔を封印したらいいの?」

「……これ」

ロザリオ?
どこかで……。

「初めて見るのに懐かしい感じがする」
それは静かに私の手中に収まった。

「それはそうさ。やっと本来の持ち主に会えたのだから」

「でも私……扱い方なんて分からない」


”大丈夫よ”


空耳……?

「どうしたの?」

「声が聞こえたの。女の人の声が」

……ロザリオが……光っている。

「クレアが亜美を導いてくれているんだよ。君を見つける時もそうだった、彼女がきっと守ってくれるから。何も怖がることはないよ」

クレアさん……。

「アンディ、私……頑張ってみる」


「ありがとう」


信じてみたい。

現実に考えたらありえない話かもしれない。
天使だとか悪魔なんて本の中の世界だと思っていたから――。

でもこれは夢なんかじゃない。

私の力なんてクレアさんと比べたら非力かもしれない、けれどみんなが私に期待してくれている。
天界を救うことが私の使命なら、逃れることのできない運命なら、

やるしかない!