何が起こっていたのかを判断できたのはあれから暫くしてからだった。

あの大量の光が少しずつ消えゆく。


「……クレア」

亜美の姿が一瞬、亡くなったクレアと重なって見えていた。
それは彼だけではなかったのかもしれない。


「封印できたんだ……でも何故?」
足元にはロザリオの中心に埋め込まれていた赤い石が転がっている。

まさか、この石が……?

「亜美~っ!!」
アンディは我に戻ると走り寄ってきた。

「十字架の部分が大切とばかり思っていたけど、違ったみたい」
私は彼にそれを手渡した。

「ヤツもそこまでは分からなかったみたいだな」

「……そうだね」


”ありがとう、亜美さん”


「クレア……私の方こそ。ありがと……」


そのまま気を失っていた。

遠い記憶の中で聞こえた『ありがとう』は確かにクレアさんの声だった――。