「クレアっ!!しっかりしろ!!」
身体のあちこちから鮮血が流れている。

「ア、アンディ、ごめんね。約束守れなかった……」

「喋るな。今、手当てしてやるから」

「……これを」

ロザリオ!?

彼女は最後の力を振り絞り彼の手のひらに捧げた。
それはクレアがいつも大切にしているもの――。

「……」

「あなたに持っていてほしいの。もし……生まれ変わることができたら……その時は私をアンディのお嫁さんにし……て」
彼女はアンディの胸の中で静かに目を閉じた。

「ク、クレア~ぁぁぁっっ!!」



ここは天使たちが平和に暮らす『天界』。

しかし近年、

魔界からやってきた悪魔が『天使狩り』と称し、天使たちを無差別に殺し始めたのだ。
繰り返される悲劇。

天使たちは為す術もなく怯えながら、過ごすしかなかった。

封印の力を持つ数少ない天使たちもことごとく殺され、
クレアはその最後の一人だった――。