冬の華

手が伸びそうになるのを、
必死で抑えた。

頑張れ…
俺の理性。
禁欲中なんだぞ。

「此れは没収な…」

立ち上がり、
きっかけとなってしまった、
俺が写る写真をフレームごと掴み部屋を後にした。

良し。
良くやった。
俺の理性。

密かに拳を握り締めるのと同時に

《何が禁欲中だ…》

呆れ反った声が掛かる。

《今日の処は見逃してやるか…。面白い事も分かったことだからな…女には目を見張っておけよ》

どういう意味だよ?

何て、聞かなくても分かってた。

俺さえ気付いていた。
彼女の霊力が上がるのを。