冬の華

否々、偶々だよな…。

彼女に向き直り、

「此れで見られないけど…。
治してくれるんだよな?」

唇を寄せる。

微かに涙を浮かべる瞳を
閉じて薄く開いた。

重ねた瞬間から、
すんなりと侵入を許す。

貧る様に堪能する彼女に、

今まで為てきたキスが、
如何に無意味なモノだったかを、気付かされた。

数だけ熟なすだけで、
身になってなかったってことか?

彼女が俺にとって、
特別ってことなんだろう。

存分に味わいゆっくり離れる。

彼女は瞳をとろけさせたままで、見上げてた。

その顔が堪らなくて…。