冬の華

思いっ切り噛まれた舌を突き出し痛さに涙まで滲ませる。

「ごめんなさい…。
初めてでびっくりしちゃって」

蹲る俺に合わせ、
しゃがみ込んだ。

「はひぃめへ?」

あのレイの彼氏は?

思い出させたくはないが、
知りたい気持ちの方が強い。

「…これが?」

突き出したそれを掴む。

「普通のキスぐらいなら…、
何度かしたことあるけど…」

頷き俯いて言った。

「嫌だった?」

首を横に振った彼女の首を掴み、

「治してよ…」

「でっでもワン君が…」

顔を熱らせる彼女の視線の先、
部屋の扉が開いたままで、

閉まればいいと思っただけだ…。それに合わせ勢い良く音をたてて閉じてしまった。