微かにすすり泣く声に、

隣に黙って座ってしまった。

「こんなとこに一人で居ると、
危ないよ?」

肩が動く。

やばい…
驚かしたか?
もう少し優しい言い方した方が…

「何があったのか知らないけど、女の子が一人で泣いてるような
時間に場所じゃないよ?」

漸く顔を上げた彼女が、
俺を見た。

鼓動が大きく跳ね上がる。

何だこれ?

涙で潤んだままの大きく丸い瞳、
それを覆う長い睫毛、
意思の強そうな弧を描く眉、
スッと通った鼻筋に、
ふっくらと柔らかそうな、
グロスで濡れた唇…。

今まで見たこともないような、
美少女だった。