直接顔を付き合わせてみても

「どうも…」

記憶になかった。

だが
確かに感じたことのある
知ってる気の持ち主だ。

「零稀?誰?」

大和が後ろから少女を覗き込む。

「俺に聞くなよ!」

遠慮なく少女の顔を直視し
俺の顔と見比べ一言。

「他人の空似じゃねぇよな?」

「だから俺に聞くなって!」

実際に俺は混乱していた。

この時点で既に少女の身元は
俺の中で把握している。

「似てるのは当然よ!
彼女は零稀の妹だから」

「ああ、妹ね?」

「納得するなよ!」

少女の気は継父によく似ている。

知ってる感じがするのは
その為だろう…。