ターゲットとなった人の家の前

「どうやって入り込むかな?」

見上げて呟いた俺に

「は?零稀まさか何も考えなしに来たってのかよ?」

大和が詰め寄る。

「まあ…成行きに任せようかと」

「冗談じゃねぇっての!
無駄足じゃねぇかよ!」

掴み掛かる大和の手を避け。

「心配しなくても直に動くさ」

空を切った手を無造作に
ポケットへ詰め込み。

「随分と余裕があんじゃねぇか。動くって何がどう動くって?」

「とにかく、黙って待ってろよ」

「はん」っと鼻で返事を返し。

「だから何を待ってろって?」

苛立ちを露にしている。