自分の居場所がなくなり
他の何かで埋まる様子を
唯、為す術もなく見守る。

悲しいわけでも
憎いわけでもなく
唯、空虚な切なさだけが渦巻く。

同じ空間に立ち受け取り
同じ空気を感じ受け止め
気持ちを共感し受け入れ

「…終わりにしよう」

その蔭を俺は包み込もうとした。

「お止めください…」

足下から冷たい気が立ち上る。

纏った気と同様の冷たい声を。

「使い魔にも管轄がある事は、
ご存知ありませんでしたか?」

背中で聞く。