以前ヌルと跳んだ道を
今は1人で飛ぶ。

あの頃の様に空を蹴り跳んでいるのではなく確かに飛んでいた。

軽くなり余分な動きもなくなり、数段速く移動出来る様になった。

世界中を自由に飛び回れる。

何も無い唯広いだけの
昼夜も無い空間ではない。

帰って来たという実感が
ふつふつと沸き上がる。

出掛けは大和も気になり
早目の帰宅を考えていた筈なのに行きと帰りで変わった感覚が、
心地好く縦横無尽に飛び回る内にいつの間にか消えていた。


ん

気付いてしまったからには
どうしたって見ぬ振りなど出来るはずもなく…。