ワンダの問い掛けに一切答えず
思念も読み取らせない俺に。

《零稀様の一番のお望みは真愛の安全ではありませんか?》

終に痺れを切らしたワンダは、

「それを解っていながら真愛を、危険に晒したのは何故だ!」

金縛りにでもあった様に
体を硬直させ踞る。

「俺が居ない間、真愛を守る事が使命だった筈だ!」

《申し訳ありません》

猫の姿ではよく解らないが
ひれ伏しているのだろう。

「言い分があるなら聞こう…」

《…ございません》

解ってる…。
ワンダの立場上、
真愛の望みを無下に出来ない事を