寝癖の付いた髪を掻き混ぜ
大欠伸をする俺の真横で、

《何故ですか零稀様?》

ワンダが不審感を顕にする。

珈琲メーカーをセットし
カップを取り出す。

《何故真愛の本来の気質をお残しになられるのでしょうか?》

手を止める事なく
冷蔵庫を覗き込む俺の後を
ワンダも付いて回る。

《今の零稀様に必要の無い物かと存じ上げますがどのようなお考えなのかお聞かせ願えますか?》

コポコポとメーカーの音が響き。

《零稀様の気質は真愛に在らぬ危険を誘き寄せる事はご存知のはずではございませんか?》

ワンダを余計に苛立たせ
俺の目前の台まで飛び乗らせた。