1人掛けのソファーに座るヤツの正面3人掛けに深く沈み込み背を預ける。

「大和にも見えたそうだな?」

「何が?」

俺は目を閉じたまま耳を貸す。

「昔から勘の良い方だったが…。
ヴェリアスがはっきり見えたと成れば話が早いな」

無意識に眉が寄った。

「仕事って云うのは他でもない…自ら姿を現そうとしない高低級のヴェリアス退治だ!」

眉間の皺が深く刻み込まれる。

「厄介な事にヴェリアスは高等な程、人間の潜在意識に取り付き操る。又面倒な事に低俗な程人間に寄生して喰い尽くす。
人が絡むと動きが制限される。
自ら動いてくれる中級なヴェリアスが如何に楽か…」