冬の華

「…何かさ先生、
雰囲気変わった」

久々にカテキョのバイトに行って言われた。

「そっか?…自分じゃわかんないけどな…」

数学の問題を
ノートに書き出す手を止める。

マジマジと見られ、

「元々かっこよかったけどさ、
何かワイルドになったってか、
脱いだらスゲェぞみたいな?
男の俺から見ても惚れるって」

褒められた。

「褒めても、何も出ないぞ?」

照れ隠しに呟いて、
ノートに向き直った。

「いやマジだって
大学忙しいとか言って、
休んでた間、本当のとこ何してたんだよ?」

「…肉体造り」

嘘ではない。
こんなに自分の心身を傷み付けたのは初めてだった。