冬の華

ヌルが気を弱め俺を解放する。

「勝手な事言うなよ!
俺に親なんて居ない…あんた等は俺の親なんかじゃない!」

俺を挟んで睨み合う二人に
俺は言い放った。

「それは違うよ零稀君…」

今まで成り行きを静かに見守っていた継父が口を開く。

「零稀君に会うのは初めてだね。此処に来るまでは私も君と同じく早苗が…君のお母さんが私に隠す理由が解らなかったのだが…。
早苗が君を想わない日はなかったそれは私が断言しよう!」

継父の声は低く穏やかで

ヌルの腹の底が冷たくなる様な…威圧感は感じず。

父親の存在を感じさせる。

「嘘だ…大体俺の名前…零稀ってゼロを希むって意味なんだ。
全てなかったことを願う…って」