葬式も終わる頃には母さんも少し元気になっていた。

僕のついた嘘…そう、父さんが藤本かおりと別れて家族の元へ戻るという嘘。

それが母さんの気持ちを父さんの〃死〃という絶望から救ったようだ。
美紀も少し元気になった。

僕は母さんと美紀をずっと守っていくと心に誓った。

〃父さん、悪者にならなくて良かったね〃

僕は父さんの遺影の前でにっこり笑った…

僕の殺人は無駄じゃない。実際家族を救ったんだ。

無駄じゃないんだ。