斎宮物語


「御台様…。」

ただ、私はどうもひっかかるのじゃ。

よりによって、町娘を側室とされた上様…。

一体なにをお考えなのか…。

しかし、私に出来ることは、上様をお見守りすることのみ…。

せめて、私がもう少し若ければ……。

御台所・熙子は、複雑な気持ちになった。