「斎宮…?」 気付けば、私は涙を流していた。 「…申し訳ございません。 なんでもございませぬ。」 「…そうか。」 上様は、私を離した。 「上様…?」 「今宵は、ゆるりと休むのじゃ。 慣れぬ暮らしで、疲れたであろう。」 上様は、それだけ言って、布団に入り、眠りについてしまった。 私は上様の寝顔を見つめ、そのあと布団で眠った。