「それから、いつき殿の部屋子となる者も、もうすぐ着きますでしょう。 部屋子とは、正式な奥女中とは少し違います。 部屋子とは、位の高い御年寄などが雇っている女中とお考え下さいませ。 局の主人が部屋子の主人なのです。 仲良くなさってください。」 「…はい。」 「そうそう、御中臈から奥に上がることのできる者など、そうはおりませぬ。 上様に感謝なさいませ。」