斎宮物語


絵島様は、ふわっ…と笑った。

「そんなに固くならずとも良いのです。
私も、元は町娘。
あなたの緊張はようわかります。」

…そうなんだ。

「私の転機は、お喜世の方にお仕えしたこと。
きっと、そなたにも、転機が来るでしょう。」

「…ありがとうございます。」