斎宮物語


いつき殿に会いたくて堪らなくて…。

そんなときだった。

私の仕えていた家が国替えになった。

禄は減り、家中の多くに暇が出された。

路頭に迷った私は、大奥のゴサイとして働かせて貰えることになった。

運命かと思った。

毎日、七つ口に来るたび、いつき殿をこっそりと探した。

そしてついに…。