斎宮物語


「いつき!」

愛しい殿の声。

聞くのはいつぶりか。

上様…。

「すまなかった。
お須免は子を流してしまったとは言え…。
そなたとて、子を身ごもった身だと言うに…。」

上様は申し訳なさそうな顔をした。

「何をおっしゃいます。
お須免様が子を流してしまったなら、心配するは道理。
心配なさらない上様なんて、想像できませぬ。」

「…いつき……!」

上様に強く抱きしめられた。