斎宮物語


「いつき様!
一大事にございます!」

「中藤?
どうしたの?」

中藤は、汗をかき、真っ青な顔をしている。

「お方様が…。
お須免の方様が、急に苦しまれて…!
血も、出ているのでございます!」

「そんなっ…!」

「お子は、おそらくは流れてしまうのではないかと…。」