斎宮物語


「天に住まば、比翼の鳥…。
地に住まはば、連理の枝…。」

「その比翼の鳥の片翼は…。
斎宮、そなたよ。」

「上様………。」

そんなに、私を。

「…なりませぬ。」

「え?」

「上様の片翼は、御台様です!
私などを片翼となさっては、比翼の鳥は飛べませぬ!!
御台様こそ、公坊様の片翼となるべきお方…。
御台様はきっと、誰より上様を愛しておられます。
そして、上様もまた、御台様を愛しておられましょう?
そんな比翼の鳥を、私ごときが飛び立つ邪魔をすることなど、できますまい。」

「いつき…。」

上様は唖然とされたが、強く、苦しいくらい強く、抱きしめてくれた。