「わしを…、もっと頼ってくれぬか?
そなた一人で溜め込むでない。
わしは…、そんなに頼りないか?」
優しい声で耳元に囁かれる。
優しい、消えそうな、どこか悲しい声で…。
「上様は、いてくださるだけで、私の支えにございます。
上様、いつきは上様のお傍にいとうございます。
どうか、私を離さないでくださりませ。」
柔らかい声で、ゆったり言った。
「離さぬ。
離すものか。
いつき、愛しておる。
愛しておるのじゃ…。」
「上様…。」
自然と涙が流れた。
上様の着物を、私の涙がぬらしていく。
「上様…。
上様っ……。」
「いつき…。」
その日、全身で上様の愛を感じた。


