「失礼致します。 斎宮にございます。」 上様のいる部屋に入って、礼をする。 「面を上げよ。 いつき、たまにはそなたと夜ではなく昼に会うてみとうなってな。」 上様は悪戯っぽく笑う。 「そなた、囲碁はできるか?」 「はい。 たまに、父と。」 「どうじゃ、一局。」 「お受けいたしましょう。」 私と上様は、夕暮れまで囲碁をしていた。