斎宮物語


御台様は、しばらくだまっていた。

「とにかく、上様を暗殺しようとしておったわけではないのでござりますな。
それはようございました。
この噂、捨て置くことにいたしましょう。
常磐。」

「はい。」

「見島。」

「はい。」

御台様は、2人の御年寄に命じた。

「このこと、根も葉も無い噂と、奥の者たちにきちんと説明致しなされ。
お古牟の方の名は…、あの者にも立場というものがありますよって、出してはなりませぬえ。」

「はい。」

「承知致しましてございます。」

2人は頭を下げる。

「では、もう下がってよろしい。」

私達は、また平伏し、部屋を出た。