斎宮物語


総触れを終え、上様は中奥に帰られる。

私も折を見て、自室に戻ろうとした。

「斎宮様、お時間よろしゅうございますか?」

不意に、誰かが話し掛けてきた。

「…はい。」

「あちらで、お古牟の方様がおまちにございます。」

そう言って、私を促した。

「只今参ります。」