真理が丁寧に切り分けていく。
白いケーキはあっという間に切り分けられた。
「ん、美味しいよ!」
白い生クリームは程よく冷たく甘い。
中のスポンジはふわふわで、綺麗な色をしていた。
「智沙の腕には及ばず、申し訳ない」
なんてあかりが言うもんだから、みんなが笑った。
プロの味とは言えなくても、愛情がこもったこのケーキはどこのシェフの味よりおいしかった。
「で、結局お土産なし?」
「んー今日は…無理かなあ…」
「土産はあるんだから、我慢しろよ。がっつくな、あかり」
「中身は?」
宏さんの話を聞くわけもなく、私に近寄ってきた。



