そっか、こんなに待ちわびた感覚はこれだった。 でも私達に会話は無かった。 言葉にしなくとも、何となくわかった。 待っててくれたんだって、確信はないし…自惚れかもしれないけど。 「はいはい、そこイチャイチャしなーい」 あかりの言葉で我に帰って少し離れた。 葵さんは、最後に会った頃よりは顔色もよくて、髪色が茶色になってる。 でも茶色も似合うんだよね、これが。 「今日は、パン屋さんで誕生日パーティーするんだから、主役は真ん中に」 「う、うん」