【完】恋愛間違い注意報



「「「誕生日おめでとう!」」」



その声が、耳に、心に響く。
ああ、待っててくれたんだね。
何も言えなかった。
こんな風にみんなが待っててくれたとは思いもしなかったけど、誰も居なかったら…って恐怖でいっぱいだったから。
涙を流しながら、それでもみんなの方を向いて口を開いた。




「ただいま帰りました。2年間も待たせてごめんね…っ、みんな…あ…ありがとっ………キャッ!」



突然誰かに抱きしめられた。
ギュッと抱かれた感覚は、忘れはしない、葵さんの胸。
頭がボーっとして、それでも離すまいと、強くスーツの裾を握る。