【完】恋愛間違い注意報



「あの…春坂智沙さんですか?」


その店員は恥ずかしそうに、私の名前を言ってのけた。
さっきも同じこと言われたなーって思いながら、はいと答えた。



「私、憧れなんです!パン屋さん何度も通ってます」



「ありがとう」


一礼をして、戻っていった。
名前が知れ渡ったせいか、顔まで有名らしい。
人見知りはなくなったとはいえ、多少照れくさい。
でも、私を知ってくれてるなんて嬉しいっていつも思う。





「クリームソーダーとチョコレートパフェです」



「ありがとう」



その目の前にあるのは、懐かしいパフェ。
クリームソーダーも炭酸がパチパチと音を立てている。
最近、随分とご無沙汰なもので思いっきり食べて味わう。
普通の味なのに、いやに懐かしい。
もちろん、完食して空港を離れた。