「大丈夫、一緒にいるから」 「俺が手放そうとしたのに…虫が良すぎる…」 「葵?何かあったの?」 葵の目の前まで行って、膝をついて葵の手を握った。 下から、葵の顔をゆっくり見つめる。 「ごめん、怖くて」 「何が?」 私の質問には、答えることなく手を強く握った。 「結婚しようか」 それは、まさかの言葉で。 でも、どこかでその言葉を欲しいと期待してた訳で。 多分、嬉しい以外に言いようがない。