そっと、目を開けると葵が私を見つめていた。 それから私を抱き寄せて、唇を重ねたんだ。 結婚式の練習なんて思ったのは私だけかな? 「葵は何て言ったの?」 「ありがとうってね」 「そっか。ありがとう」 「ん?」 「一緒に来てくれて、一緒に居てくれて」 顔が赤くなったから、慌てて早歩きして逃げてみた。 そしたら、急に手を引かれた。 「俺もありがとう。好きでいてくれて。愛してるよ」 平然と、かっこよく私に言葉をくれた葵はすごいな。 でも知ってる、本当はドキドキしてるって。