「なんだって?」 「私の…パパとママが居るとこだそうです」 「そっか、じゃあ俺も挨拶しないとな」 葵の言葉すら耳に入らないほど、両親の居場所を思い出していた。 両親は小さい頃、他界してるから墓地の位置なんだけど。 私、真理から教えてもらったっけ? 「智沙、おはよ」 「おはよ…」 「おはようございます」 「その様子じゃ、思い出せないのか?」 「真理は私に教えてくれたの?」 「ああ、思い出してみるんだ。親父とお袋の葬儀の日のことを」