「悪いわよ!悪いに決まってんでしょ?!
ここはあたしの家よ。
汚い手で旗に触んなっ!」
また怒鳴られたしっ…
女に足蹴にされるなんて、なんたる屈辱。
くそー…。
「ちょっと!
聞いてるなら返事くらいしなさいよ?!」
「う、うるせーな!
初対面のくせに何なんだよ?!
旗触るくらい、いいだろっ!
すげーなって思ってたんだよ!」
俺も負けじと言い返した。
すると、黒髪は少し顔を赤らめて黙りこんだ。
「何だよっ……?」
急に黙ったから、今度は泣きだすんじゃないかと心配になってくる。
泣いたら何か俺のせいみたいじゃん…。
「…あんた、あたしの機織りの実力をわかってるみたいね。
認めてやってもいいわよ。」
「認めてやっても?!」
「あんた、名前は?」
「ロイドだけど…」
「あたし、リア。よろしく。
村の旗、全部あたしが作ったの。」
「…まじ?!」
さっきまでの超険悪ムードは消え去り、いつのまにかお互いのことを語り合っていた。

