丘をこえて歩き続けると、森が広がっていた。
森に入るか入らないか迷っていると、近くにいた木こりのオッサンが話しかけてきた。


「あんた、珍しいねぇ。
こんな物騒なご時世に一人旅かい?」


「そうです、たぶん。
この森、抜けれますか?」


「そりゃあ、ちときついねぇ。
わしら木こりでも深入りせんて。
抜けれるには抜けれるが、獣がわんさかおる。わしらじゃとても無理だ。」


木こりのオッサンは困った顔で斧をかつぎ、薪の束をかかえて去っていった。


「抜けれるならいっか。」


楽観的に頷くと、真っ直ぐ森に入っていった。