とりあえず、歩いてみることにした。
この世界って何だろう。
悶々と考えながら、改めて持ち物を確認する。
食べ物、オーケー。
飲み水、オーケー。
この量なら三日はもちそうだ。
服は動きやすく、マントもしっかり身につけている。
俺の最重要必需品の剣も、ちゃんとつけている。
剣は細身で、刃の部分に美しい模様が彫ってあり、柄は俺の小さめの手にしっくりくる。
持ちやすいし、飾り物なんじゃないかと疑うくらい綺麗。
それなのに、切れ味は剣としても最高ランクだ。
「いい剣だな…。」
まだ新しい世界での戦いは未経験だから、どう戦うのが最善かよくわからないが、体は鈍ってはいないようで無意識に反応する。
…俺ってかっこいいかも?
にたぁ~っと一人怪しく笑っていると、何となく自分に寒気がしたような気がした。

