「何を言っておるのじゃ、ロイド。
ほれ、持って行きなされ。役に立つはずじゃ。」


そう言うなり、じーさんは机の上にいろんな物を広げた。
…ってか今、ロイドって言った?


「何で俺の名前しってるんだよ?!」


睨みつけると、おきまりのように、ふぉっふぉっふぉっと笑った。


「何もかも知っておるわい。」


じーさんが、にたぁ~っとしまりのない笑顔を向けてきた。
うえっ、気持ち悪っ。
机の上を見ると、剣、マント、旅人っぽい服、丈夫そうな革靴、…などなど。
まるでこれから旅に出るみたいな品の数々だ。


「おぬし、これを身につけなされ。
早く準備せんと間に合わん。」


じーさんは慌てる様子もなく口だけそう言うと、手をすうっと下から半円を描くように動かした。


「え?!
えぇぇ~~~っ?!?!」


俺さっきまで服着てたのに!!!


いつのまにか俺は素っ裸になっていた。
一体今何が起きたんだ?
今の…じーさんの仕業か?

混乱しながらも、用意されたものを身につける。
最後に剣をつけると、何だか妙にしっくりきた。