「……………」
黙ったままの女の人は、少し頬がこけた気がするけど、
やっぱりあたしの大好きなママだった。
「ママ~会いたかったんだよぉ~!!どこいってたの?
愛、さみしかったんだからね___!」
あたしは懐かしさと会えた嬉しさで頬を濡らす。
ママは、あたしの問いにも答えずに、切なさそうな顔を見せるばかり。
お兄さんに至っては無表情だった。
「ママ…?」
いきなりの出来事に頭の付いていけないあたしは
よく状況が分からない。
ママに近寄ろうとしたけど、お兄さんの腕が、それを許さなかった。
あたしの頭はますます混乱していく。
きっと幼いからとかじゃなくって、今のあたしでもこういう事があったとき、
驚きを隠せないと思う。
「ママぁ・・愛よく分かんないけど、これからは一緒に暮らせるんだよね?」
もちろん「そうだよ」とか「当たり前じゃん」とか、
そういう言葉を期待してた。
でも、
「ごめんね・・愛」
返って来たのは、このときあたしが1番聞きたくない言葉だった。
その言葉の意味は、4歳のあたしでも何となくわかった。
でも、認めたくなかったんだ。
そんなこと。
